日本株を持つなら、TOPIXなどの指数に連動する投信で広く持つ方法と、自分で企業を選ぶ方法があります。両方を持つこともできますが、銘柄数を増やしただけでリスクが分散されるとは限りません。
ここでは、企業分析に使える時間と、特定企業へ上乗せしたい金額から、インデックスと個別株の役割を分けます。
インデックスと個別株、どの判断を自分で持つか
| 比較軸 | 日本株インデックス投信 | 日本の個別株 |
|---|---|---|
| 投資する範囲 | 指数に沿った複数企業 | 自分で選んだ企業 |
| 必要な確認 | 指数、費用、構成、運用方針 | 決算、財務、競争、購入価格 |
| 企業ごとの入替え | 指数や運用方針に沿って行われる | 自分で売却・追加を判断 |
| 主な偏り | 日本市場、指数内の大型企業や業種 | その企業・業種への集中 |
| 利益の受け取り方 | 投信の分配方針による | 配当方針や業績による。減配・無配もある |
決算を読み続ける時間がない人にとって、企業選びを自分で行わない方法には意味があります。反対に、特定企業を選ぶなら「商品が好き」「よく知っている」から一歩進め、投資先としての利益と財務を調べる作業が増えます。

TOPIXと日経平均も、同じ配分ではない
TOPIXは浮動株時価総額加重型の指数です。市場で取引される株式の時価総額を反映するため、企業を同じ割合で持つ仕組みではありません。JPXのTOPIX解説で算出方法と構成情報を確認できます。
日経平均は、東証プライム市場から選んだ225銘柄による株価平均型の指数です。算出方法が違うため、同じ日の動きや業種への偏りもTOPIXと同一ではありません。定義は日本経済新聞社の指数プロフィールで確認できます。
過去に上がった方を選ぶ前に、上位銘柄と業種の比率を見比べてください。「日本株に広く投資したい」のか、「特定の構成を持つ指数に投資したい」のかが判断の分かれ目です。
個別株の割合を増やすと、損失の出方が変わる
日本株へ投資する100万円のうち、指数投信80万円・A社株20万円とする架空例を考えます。指数投信が20%下落し、A社株が50%下落すると、損失は16万円+10万円=26万円です。すべてを同じ指数投信に置いて20%下落した場合の20万円より大きくなります。
これは値動きの予測でも、80対20の推奨でもありません。A社が上がるケースもありますが、個別株を加えることで、指数から外れる損益を自分で引き受けるという意味です。
A社が指数に含まれている場合、実質の保有額は個別株20万円だけではありません。仮に指数内のA社比率が2%なら、投信経由で1万6,000円、直接保有で20万円、合計21万6,000円です。2%は計算用の仮定で、実際には最新の構成比率を使います。
配当利回りは、分子と分母を分けて見る
年間配当予想100円、株価2,000円なら予想配当利回りは5%です。株価が1,000円へ下がれば、配当予想が同じ間は10%になります。ただし、その後に配当予想が50円へ引き下げられると利回りは5%へ戻ります。
高い利回りの理由が、配当の増加なのか株価の下落なのかで意味が違います。企業の決算資料で、普通配当か記念・特別配当か、利益や営業キャッシュフローで支えられているか、配当方針がどう書かれているかを確認します。予想配当は受取りを保証する数字ではありません。
役割を分けるときの記入欄
日本株全体へ使う上限: インデックスを持つ目的・対象指数: 個別株へ使う上限・1社の上限: 個別株を上乗せする理由: 投信経由で重複する企業・業種: 次に読む決算資料・確認日: 保有理由が変わる条件:
全世界株投信にも日本株が含まれる場合があるため、この欄は日本株口座だけでなく、ほかの投信も合算して埋めます。買った理由を残すひな型は、運用記録のテンプレートにまとめています。
個別株の購入に進む前の確認項目は、新NISA成長投資枠で個別株を買う前のチェックにまとめています。企業の保有理由、1社の上限、売却を再検討する条件を先に整理してください。