ボーナスの投資割合は、最初に決める数字ではなく、必要なお金を取り分けたあとの計算結果です。同じ手取り60万円でも、支払いと現金の備えによって、投資候補額が0万円、12万円、30万円になることがあります。
この記事の数字の読み方
以下の0割・2割・5割は、家計に条件を置いて計算した例です。「貯金があれば2割」「余裕があれば5割」という推奨基準ではありません。筆者の家計の実績でもありません。
同じ手取り60万円、3つの家計を並べる
| 今回の使い道 | A:現金を補充 | B:予定支出が多い | C:備えを確保済み |
|---|---|---|---|
| 確定している支払い | 10万円 | 10万円 | 10万円 |
| 生活防衛資金への追加 | 25万円 | 8万円 | 0万円 |
| 未確保の予定支出へ取り置き | 20万円 | 25万円 | 10万円 |
| 旅行・趣味など今回使う予算 | 5万円 | 5万円 | 10万円 |
| 長期投資の候補額 | 0万円 | 12万円 | 30万円 |
| 手取りに対する割合 | 0%(0割) | 20%(2割) | 50%(5割) |
| 配分合計 | 60万円 | 60万円 | 60万円 |
A:投資0割でも、家計の改善は進んでいる
Aは投資を増やす前に、現金の不足を25万円補う家計です。もし「最低でも2割」と12万円を投資すれば、予定していた支払いか備えのどこかを12万円削ることになります。投資をしない回を設けることは、将来の投資を諦めることとは違います。
B:2割は、残った12万円を60万円で割った結果
Bは今後の支出用に25万円を確保するため、投資候補が12万円です。生活防衛資金がある程度整っていても、学費や引越しなどが重なる年は割合が上がりません。現金残高の多さだけでBをCへ近づけるのは無理があります。
C:5割を投資できるかは、資産全体でも点検する
Cは必要な備えを既に確保している設定です。ただし30万円が残ることと、30万円を株式へ投じてよいことは同じではありません。既に株式を多く保有している、近く働き方を変える、価格下落に不安があるといった事情があれば、一部を現金で残す選択肢もあります。
ボーナスが60万円から40万円に減ったら、割合を固定しない
Bの家計で、確定支払い10万円、備えの追加8万円、予定支出25万円を動かせないと仮定します。この3項目だけで43万円です。手取りが40万円へ減れば、楽しみの予算と投資をともに0円にしても3万円不足します。
| Bの家計の変化 | 60万円支給 | 40万円支給 |
|---|---|---|
| 支払い・備え・予定支出 | 43万円 | 43万円 |
| 今回使う予算 | 5万円 | 0万円に見直し |
| 投資候補額 | 12万円 | 0万円 |
| なお不足する額 | 0万円 | 3万円 |
この状況で「2割だから8万円は投資」と決めると、不足は11万円へ広がります。支給額が変わったときは比率を掛け直すだけでなく、支出の延期・削減や既存の目的別預金からの補填可否を先に見直します。
投資候補額を、下落したときの円の金額に直す
| 投資する金額の仮定 | 20%下落した場合の評価減 | 40%下落した場合の評価減 |
|---|---|---|
| 12万円 | 2万4,000円 | 4万8,000円 |
| 30万円 | 6万円 | 12万円 |
30万円の追加分が12万円減ったときに、予定どおり学費や生活費を払えるでしょうか。金額を見て耐えにくいと感じるなら、買う回数だけでなく投資総額や商品のリスクを下げることも考えます。
一括を何回かに分ける方法は購入時点を分散しますが、最終的に30万円すべてを同じ株式商品に投じれば、その後の下落リスクは残ります。「分割したから大きな金額でも安心」と置き換えないようにします。
自分の割合を計算する記入欄
- ① 今回の手取りボーナス:__円
- ② 支払い・現金不足の補充・未確保の予定支出の合計:__円
- ③ 今回使う楽しみの予算:__円
- ④ 長期投資の候補額=①−②−③:__円(マイナスなら投資0円)
- ⑤ 実際の投資額:__円(④の範囲内で、資産全体のリスクも考えて決める)
- ⑥ 投資割合=⑤÷①×100:__%(手取りが0円なら計算しない)
生活防衛資金をいくら残すかがまだ曖昧なら、先に生活防衛資金と投資予算の計算例で必要額を整理してください。生活設計と収支を分けて考えるための資料はJ-FLEC「人生100年時代 始めようお金の準備」でも確認できます。
NISAの空きは、家計に足りないお金を補ってはくれない
NISAは運用益への税制優遇であり、使うほど必ず利益が出る仕組みではありません。金融庁の制度説明で枠を確認するのは、家計で投資額を決めたあとです。
投資額が決まったら、残枠・通常積立・購入方法をボーナスをNISAへ追加する手順で照合します。次回のボーナスでは、前回より何割増やせたかではなく、今回の取り置きで支払いを賄えたかを振り返ると、配分を修正しやすくなります。
制度・参照情報は2026年9月8日確認。本文の試算は条件を置いた例で、筆者の運用実績や将来の利益を示すものではありません。投資には元本割れのリスクがあります。