どうも。社畜です。
ここ1年で、住宅ローン返済に困窮する人が増えてきたというニュースを見ることが増えました。
そんな状況の中、日本政府はオリンピック開催に躍起になっており、安心安全を実現と謳っております。
しかし期待とは裏腹に、来日した選手団が空港の検査で陽性反応が出ており、先行きは非常に不安ですね・・・
(この記事では政府の判断やオリンピックの開催是非について意見するものではありません。)
国内のコロナ禍が沈静化するのはしばらく先の見通しとなりそうです。
このような状況が続き、今年はさらに住宅ローンの返済に困る人が増えていきそうですね。
私はFIREを目指しており、新築一軒家住まいですから住宅購入については思うところがあります。
実際、知り合いにも返済に困っている人が出てきており、お金を貸してくれないかという相談も受けたりしています。
この記事では、今から家を買おうとする人に向けて、住宅ローン返済で困窮しないための方法を解説し、ゆとりある人生を送るためのお金と住宅の考え方を書いていきます。
この記事で切に訴えたいこと
この記事では、これから家を買う若者(20代~30代)向けに、FPの方々が説くような経済的合理性の観点ではなく、ゆとりある人生を過ごすための住宅購入に関する私の考え方を書きます。
25歳で一軒家を買った者として、後輩たちの参考になれば。
この記事では以下のことを結論とします。
重要なのは、「家を買うな」という記事ではないということです。「買うのは全然いいんだけど、気をつけて!」という記事です。
- 人生100年時代、家は一生の買い物ではなくなった。家は2軒買うつもりで。(過去記事も合わせてご参照ください)。
- 業者の言う「借りられる額」と実際に生活を維持できる「返せる額」は全然違うから惑わされるな。
- 100年に一度の経済危機は10年に一度くる時代だから、「今の収入」をベースに考えるな。収入は悲観的に考えるべし。
コロナ禍により、収入が減った人は24%
2020年冬のボーナス支給額は航空・接客・小売を主に全国的に大きく下落しました。
なんとその下落率は30%~100%です。賞与無しというのもあったということですね。
日本を代表するような大企業でこのような状況ですから、コロナ禍が経済に与えたダメージの大きさが窺い知れます。
みずほ総合研究所のリサーチによると、支給額の平均は35万円ほどだったようです。
まねーぶの調査によるともう少し詳細な調査結果が出ていますが、それでも支給額は35万円以下が大半のようです。
まねーぶの該当の調査レポート:https://www.money-book.jp/2020winterbonus_research
住宅価格は年収の10倍までというのは本当
これは住宅を購入しようとした時に最初にぶち当たる疑問です。
自分は一体いくらまで借りられるんだろう?
というものです。これは一般的には年収の10倍「まで」が目安と言われています。
ただし、私が住宅を購入する際に3行ほど審査を出していたときの話では、年収600万円くらいまでは10倍が目安、それ以上の年収は状況次第ということでしたので、800万円の人が8000万円借りられるというわけではな内容です。
とはいえ、やはり目安は10倍までというのはある程度正しいとのことでした。
では10倍の家を買っていいのか。
答えは断じてNOです。
そもそもの話、あなたは家を買っていない
住宅ローンを組んで家を買った場合の話なのですが、それ、あなたの家じゃないですからね。
金を銀行から借りた場合は、権利としては銀行が持っています。で、ローンが返せなくなると容赦無く競売とかにかけられたり差し押さえられたりします。
これは抵当権が設定されていたりするためです。
(たまに無担保ローンがありますが、使ってる人は少ないんじゃないでしょうか。金利が1.5%ほど高いですから。)
つまり、あなたが金を返し終わらないとこの抵当権は外れないですから、基本的には自由に名義変更や売却ができません。
だから離婚した際などの名義変更にとても苦労します。
ローン期間中の名義変更は銀行の承諾がいる場合がほとんどなのですが、この承諾が中々おりないんですよ。
何を嫌気しているのかはさまざまだとおもいますが、「ローンが残っている段階での名義変更はできかねます」なんて言われてしまいます。
実際の法制度や仕組みはさておき、一般人の感覚からすると「自分で自由にできないものを自分のものと言えるのか」という話です。
友人から借りた車を勝手に売却できないのと同じような状況です。自分の車であれば思いついた時に売却できるはずです。
たまに「家賃を払い続けるくらいなら家を買った方がいい」ということを言う人がいますが、家を買ったとしてもローンを組むのであれば支払い終えるまではあなたの物としては扱えないので、結局「人のものに金を払っている」という状況にさしたる違いはありません。
支払いさきが大家か銀行かの違いだけです。
さらに、35年ローンを支払い終えた後の古臭い家に資産価値なんてほぼないでしょうから、「家は資産になる」というのも愚かな幻想です。
目利きして35年後も価値を維持しているまたは上がる物件であれば全く問題はありませんが、現在の日本ではそのような場所は一般人には手が届きません。
家をローンで買うことの異常さを別の例で再確認してください
ということで住宅ローンで購入した場合、それはあなたの家ではないということがわかりました。
しかしそれでも、家を買う時には「一生に一度の買い物」と息巻いて無駄に贅沢をしてしまいがちです。
ここで、その異常な思考を別の場面で見てみましょう。
とはならないですよね。
大抵の場合、ヤバいやつだと思われるのが関の山です。
しかし、これが住宅になると途端に全員の感覚が変わります。
こうなります。なんか前向きな感じになります。
やってること全く同じなんですけどね。
手の届かないものを無理にローンして買ってしまっています。
日本人は何故か、10万円のキャッシングによる借金は批判するくせに3500万円の住宅ローンには一切疑問を抱きません。
ゆとりのある生活のためには、この感覚が異常であることをまずは認識しましょう。
「借りられる」と「返し続けられる」は別次元の話
住宅ローンのヤバさは伝わったかとおもいます。
しかし、ここで言いたいのは冒頭でも書いた通り「住宅ローンを組むな」とか「持ち家はアホ」とかそういう話では一切なくて、適切な価格の家を買いましょうという話です。
適切なというのは「家は将来に渡っても負債であること」「ローンをしないと買えない時点で分不相応であること」を理解し、家を選びましょうということです。
持ち家には人生を豊かにする可能性が無限に詰まっていますから、上記のことを理解した上で買う住宅には賛成しています。
例えば3500万円を35年ローンで金利が1.2%だった時、月々の支払額は10万円です。
10倍まで借りられる理論で言えば、年収400万円ほどの人が組むローンとしては一般的な額でしょうか。
年収400万円だと、手取りの年収は315万円になるそうです。
参考:https://www.musashi-corporation.com/wealthhack/annual-income-net-income
ボーナスなしの場合、手取り月収は26万円ちょいです。
10万円のローンを払ったら残りは16万円ですか。
車は持てなさそうですね。固定資産税の支払いも厳しいかもしれません。
家族がいる場合だと更にまずくて、携帯代も危ないかもしれません。
つまり借りられるということと、それを返しながら生活が維持できるかというのは別次元の話なのです。
夢のマイホームを手に入れたのに家以外は極貧生活ってのは楽しいのでしょうか?
価値観は人それぞれですが、私の目指すゆとりのある生活とは全く違う方向にいますね。
別の指標では住宅ローンの年間支払額は年収の25%以内
そういう指標もあります。先程と同様で手取り年収400万円の場合、25%の金額は約80万円となり、月々の支払いは6.8万円ほどです。
手取り月収ベースでは残金が20万円ほどですね。ギリギリで10年前の古い軽自動車くらいなら持てるかもしれません。
この場合、借りられる住宅ローンの金額は2200万円くらいです。
大分金額が下がりましたね。一般的な建売住宅がせいぜいの金額ですね。
それでも高すぎる2200万円というローン金額
ということで、夢を諦めて堅実で一般的な家を選んだとしても2200万円という金額は年収400万円の人にとっては高すぎます。
というのも、その年収で家を買ってしまうと貯金が全くできません。
この貯金ができないというのが重大な問題を引き起こします。ここからが本題です。(長かった・・・・)
貯金なし=いざというときに住宅ローン破産します
貯金が無いというのは非常にまずいです。別に当たり前の話なので深掘りはしません。
単純な話で、今回のようなコロナショックで急激に収入が不安定化した際に即座に住宅ローン破産します。
住宅ローンはなんとか返せても、元々余裕のない家計なのでそこ以外の部分(携帯や車)を手放さないといけなくなります。
ローンを組む時、「今」を基準に考えるのが危険
なんでそんな無茶なローンを組んでしまうのかというと、多くの人が「今の収入」を起点にローン計画を考えてしまうからです。
年収が400万円だとしたら今後35年のローン返済を考えた時、なんとなく年収400万円が続く前提で考えませんか?または年収アップすら加味するかもしれません。
要は「年収が下がる・いきなり0になる」ということを考えることは大変稀であり、貯金ができないこと自体はそもそも考慮しない。
貯金できるかではなく、400万円の年収で返済できるかという観点でしか考えない。
というのが問題です。
ローン金額を決定するときは、
- 返済をしながら貯金・投資は可能か
という観点で考えてください。
そうしないと収入が下がった時にすぐに危機に瀕します。
また、子供が生まれたりというイベントでもかなり影響を受けてしまいます。
年収400万円なら、月の支払いを4万円前後に抑えたいので1600万円程度の住宅ローンが現実解です。
これくらいに抑えないと、車や趣味に回せないどころか、税金の支払いと生活費で一杯一杯になります。
ローンを組む時、「年収400万円で月々6万円の返済ができそうか」ではなく「年収は分からないが何があっても月々6万円の返済を35年間継続できるか」で考える必要があります。
自分のその他の資産や出費と相談しながら、「何があっても〇〇円なら35年間支払える」という金額からローンの借入額を決定し、その金額内の物件を探すようにしてください。本当に。
なぜそんな低価格の家を買うのか
明確な答えがあります。
- 我々は若いうちは収入が低い可能性の方が圧倒的に高い
- 寿命が伸びすぎて、人の寿命が家の寿命を上回る時代になった
この2つです。
我々は若いうちは収入が低い可能性の方が圧倒的に高い
なんだかんだ言っても日本は年功序列が強いです。
若いうちはお金がありません。そんな状況で支払額が35年間一定の住宅ローンの支払いは大変厳しいです。
年収400万円の若手時代の6万円と年収600万円の中堅時代の6万円では負担感が違うでしょう。
住宅ローンの支払額はフラットなので、住宅を購入するメイン層である若者には大変辛い負担です。
寿命が伸びすぎて、人の寿命が家の寿命を上回る時代になった
100年もつ家とかもありますが、そういうことではありません。
もちろん家自体が持たないというのもあるでしょうが、30歳で家を買う人が80歳の時の生活をイメージした設計の家を作るか?
という話です。階段とかキツそうですよね。じゃあ平家にしますか?しないですよね。
子どもが欲しいから部屋数を多くとったけど、それは80歳になった時も必要な空間ですか?いらないですよね。
人生が長くなりすぎて、「一生の買い物」というには未来を考慮しきれなくなってしまったんですね。
過去記事でも同じようなことを書いています。
持ち家派の人は、家を2軒買う時代になったと思っています。
- 1軒目は家族との生活を楽しむための家。設備は最低限で十分。夫・奥さんや子ども、ペット、趣味の時間を楽しむための住宅。
- 2軒目は老後の住処(=終の住処)のための家。バリアフリーなど配慮や年寄りのための設備の導入、安全性向上。小ぢんまりとしつつも住むこと自体の快適さを求めた住宅。
これがベストです。
若いうちは安めの住宅で家族との充実した時間を過ごすことを目指します。
家の価格が高すぎて、碌に外出や外食ができず、子どもとも遊びに行ったりすることができずとなれば、なんのためのマイホームかわかりません。
人生を豊かにしたくてマイホームを買おうとしたはずです。
マイホームを買うことが目的になっていませんか?ということです。
安い家を買うことは2軒目を買うための準備でもあります。
返済額を低くし、積極的に投資に回すことで将来の資産を時間をかけてしっかりと形成していくのです。
そうすれば30年後(30歳の時に住宅購入したら60歳ですね。まだ現役世代ですか・・・・恐ろしい時代ですね)にはかなりの金額が準備できていると思いますので安心してください。
3万円を30年間積み立てると、2500万円くらいになります。
家を買うのには足りないと思いましたか?
マンションなら十分に郊外で購入できます。
そして、これだけあれば戸建ての場合は建て替えで立派な家が立ちます。
つまり、1軒目の選択がとても重要になります。マンションか戸建てかですね。
1軒目が戸建ての場合、その時点で土地がついてきますから、家を壊して建て替えることで土地代を0にすることができます。
これにより、新規に購入するよりも大幅に価格を低く抑えることができるようになるわけです。
1軒目がマンションの場合は土地がありませんから2500万円では心細いと思います。
とはいえ、そこまでマンションで生活してきた人たちは、継続してマンションでも問題には思わないはずですので影響は少ないでしょう。
苦しいのは、戸建てからマンションに移った場合です。
結婚して戸建ての実家からマンション暮らしになった周りの人の意見を聞いていても「狭い」「隣が近い」「エレベータ乗るの面倒」「駐車場が使いづらい」などの意見が多く聞かれますね・・・・
この辺は個人の価値観なのでなんとも言い難いですが、とにかくこのような計画で進めることで2軒目を無理なく買うことができます。
また隙があれば貯金や積立額を増やすことができればさらに余裕が生まれるでしょう。
そして万が一経済危機により収入が減ったりして貯金や投資が上手くいかなかった場合でも、その時には若い時に買った家がありますから少なくとも「住む家がない」という危機は避けられるでしょう。
ちなみに
我が家は共働きで世帯年収は1300万円を超えますが、家は郊外の一軒家で価格は2500万円弱でした。
金利も凄まじく低いので、月の支払額は6万円弱です。
生活にはとても余裕があり、貯金とは別に毎月10万円近く投資に突っ込むことができています。
子どもの習い事や趣味にもたくさんの拠出ができており、充実した生活をしています。
こうなると外で何かをやっている時間ばかりが増え、意外と家にいる時間も少ないので設備はそこまで拘らなくてもいいのかなとも感じていますが、これは個人の感想です。ご参考までに。