SYA-CHIKU今回は、人生の中でもとりわけ大きな支出となる住宅ローンだけど、変動金利と固定金利のどちらがいいかの論争が尽きないから、変動金利を使っている投資家としての考えを書くよ!
あー。確かにどっちがいいかはわからないよねー。
変動金利の方が安いということはきいたことあるよ!
マメ黒SYA-CHIKUそうだね。今のところ、変動金利の方が安いというのは間違いないよ。
ただ、変動金利を正しく理解していない人が多すぎて危険なんだ。
この記事の内容
- 変動金利と固定金利の違い
- 変動金利を選ぶべき人はどのような人か
- 固定金利を選ぶべき人はどのような人か
変動金利は低い、固定金利は高い
SYA-CHIKUまずは変動金利と固定金利の大きな違いを整理するよ。
一般的に言われていることは、変動金利の金利は低く、固定金利の金利は高いということです。
変動金利は一般的に半年に1度程度で金利の見直しが入り、契約中のローンは5年に一回くらいで適用金利の変更が入ります。
5年に一回、金利が変動する可能性があるとシンプルに考えておけばいいです。
変動金利の金利はとても低く、私の契約している銀行ローンは10年間固定0.6%です。(固定とついていますが、金利の見直しが5年に一度ではなく10年に一度というだけです)
なんと今では0.3%とかもあるようです。
固定金利は35年間金利が固定で、今でも1.0%あたりなので変動金利の2.5倍から3倍程度の違いがあります。
違いをシミュレーション
まずは固定金利で見てみます。
どちらの場合も以下の条件を共通とします。
- 借入金額は3000万円
- 借入期間は35年
- ボーナス払いは無し
- 固定金利は20年間は1.18%と残りの15年間は1.3%
- 変動金利は0.527%から10年ごとに0.1%上昇
この時に返済額がどのようになるかを見てみます。
ツールの都合上、金利の変化が数字に出ていませんが計算には反映されています。
総返済額と内利息支払額をみてください。
https://www.rakuten-bank.co.jp/home-loan/simulation/loan.html より 利息金額が倍ぐらい違います。
なんで金利に違いがあるの?
おー!やっぱり変動金利の方が金利額が35年で安いぞ!
変動金利一択じゃないの〜〜!
マメ黒ん?じゃあなんで固定金利があるんだろう?
選ぶ人いるの?
マメ黒SYA-CHIKUいいところに気づいたね!解説していくよ。
金利に違いがあるのには明確な理由があります。
金利上昇のリスクを誰が引き受けているのか
です。
本来経済成長している国では金利は上昇することが一般的です。
しかし長引く不景気は30年近くにわたる超低金利を引き起こしました。
その結果として変動金利と言いつつ金利が0.X%で推移し続けていて、「固定金利を選ぶやつはアホ」というような風潮を生んでしまったのです。
銀行目線で考えましょう。
固定金利1.3%で35年固定ということは、銀行からすれば金利が上昇していった時であっても1.3%から金利を動かせないということになります。
銀行からすれば上昇させられた金利分の利益を取り損ねることになります。
固定金利とは、金利上昇のリスクを銀行が引き受けているということになります。
変動金利は反対に、銀行からすれば金利上昇に合わせて金利アップができるわけですから、金利上昇局面でのリスクは銀行にはありません。
銀行からすれば、現在の世間の金利で貸し出しておき、随時金利アップしていけるわけです。
変動金利とは、金利上昇のリスクを借入側が引き受けているということになります。
SYA-CHIKU金利の違いは、誰が金利上昇リスクを引き受けているかというところに違いがあるんだ。
- 固定金利は銀行がリスクを引き受けている
- 変動金利は顧客がリスクを引き受けている
変動金利を選んでいいのはどんな人?
本題です。金利に2種類あることがわかりました。本来は全員固定金利です。
しかし、変動金利を選んでいい人がいます。
どんな人でしょうか。
そもそもですが、よくある変動金利の説明が間違いの原因です。
- 今後金利が上がらないと考えている
- 金利の動向で返済額が変わるため、返済計画を立てにくいデメリットがある
併せて、固定金利でもおかしな説明をよくみます。
- 将来的な金利の動向に振り回されたくない
- 支払い金額が変わらないため、返済計画を立てやすいメリットがある
この金利の選び方は本質を全く外しています。
「考えている」「振り回されたくない」など、大した根拠のない素人考えとマインドを中心に据えています。
返済計画が立てにくい立てやすいというメリデメも意味不明です。これだけ変化の激しくなった昨今で35年間の計画なんてその通りに行くわけがありません。離婚、死別、病気、退職などあらゆるトラブルを考えず、「現状の収入をベースとして立てた返済【計画】」に意味はありません。
変動金利と固定金利を選ぶ際のポイントは本来たった一つです。
金利が大きく上昇する局面に入った時に、利息に負けずにきちんと返済ができるかどうかです。
つまり、既に資産を多く持っており、金利上昇局面でもそちらの資産を使って金利上昇に勝てる人のみです。
なぜなら、国内の多くの住宅は買った瞬間に負債になるパターンが多いため、いざ払えなくなった時に債務を処理できずに破産の道しか選べなくなってしまうからです。
最近多いのが、「お金のない人がフルローンで住宅を買う時に、少しでも支払いを安くしたいから変動金利」というパターンです。
このような人はそもそも家を買ってはいけないので、まずは資産形成に励みましょう。
30年前の金利は驚異の6%
我々はこの金利が上昇する局面をいまいち想像できません。
しかし、たった30年前。今30代の我々の親世代が家を買った時の金利はどのようになっていたのでしょうか。
1990年。バブル絶頂期の日本です。
なんと6%です。機関によっては8%もあったようです。
当時は経済成長で金利が上昇し続けていましたから、今とは逆に固定金利が多かったようです。
つまり、歴史的に見れば4%程度の金利というのは30年の間に変動してしまうということです。
今、日本は待望のインフレ局面に差し掛かっています。こちらの記事参照
しかも悪いインフレです。
今後の経済は上向いていくとは思いますから、金利は反転していく可能性があります。こちらの記事参照
0%に近づいた金利により、銀行の収益も限界まで圧迫されています。
とはいっても、こんな使い方もあり
最近はローンの多様化が進んでおり、私のような10年固定の変動金利もあります。
ローン控除のある最初の10年くらいは変動金利で金利を低く押さえておいて、10年後の金利見直しの際に金利が高いようであれば、別の固定ローンに借り換えなんかは非常に有効です。
私はこのパターンを想定しており、10年固定の変動金利としています、5年後にまた考えます。
新規の場合も借り換えの場合も、まずはプロにまとめて相談してみることが最大の節約になりますから、無料相談をしてみてください。
みんなが知らない変動金利と固定金利の正しい選び方!