前に話したとおり、若者-中高年を中心に寿命が伸びすぎて今の70代以上と同じ生き方をしていては、老後に大変な目に会うことが確実なんだけど。
若い世代がどんな影響を受け、どんなものに投資すればいいかを話していくよ。
※前回記事参照
ご主人の世代ってことだね!
この記事の内容
- 今の20代~30代の未来は資金面・労働面でどうなるのか
- どのような投資行動をする必要があるか
この記事の結論
- 毎月9万円を投資に回せ!
- といっても不可能なので、積み立てNISAでできるところから始めよう。すぐに!!
- 利率は5~7%を狙う。(S&P500が過去30年くらいの平均リターン10%)
- すぐに始めることが最強の対策!
話の前提
この記事では、複雑さを増す人生設計を「お金の面」にフォーカスして解説するために、家族構成の変化や居住場所は無視します。
また、何歳まで働く年数が伸びていくことも予想されますが「多くの人が定年後に生活費のためという理由では働きたくない」と考えている点を鑑みて65歳引退を前提とします。
65歳で「引退したければしてもいいし、働きたければ好きなことをして働けばいい」という選択肢を得るための投資行動の話です。
ということで前提は以下です。
- 老後の資金生活資金:引退前年の50%(64歳で年収600万円なら300万円)
- 投資利率の年平均:3%
- 現役時代の年収増加ペース:年4%
- 引退したい年齢:65歳
- 各世代の寿命:2,30代=100年、40代~60代=85年、60代=80年
労働期間に対して引退期間が長すぎる問題
まず最も重要になるのが、今の20代って2000年生まれなんだけど、彼彼女らは100年生きるからなんと2100年までってことになるんだ。
20代は大変だな〜!と思った人も多いと思うんだけど、30代も2090年まで生きるから似たようなものだね。
本当に100年行っちゃうんだね〜
医療の発達により健康でいられる期間も伸びるから、適切に準備しないとお金のために働き続ける辛い人生になるね。
今、寿命は世界が経験したことのない水準に達しています。
それは繰り返している通り100年にわたる長いものです。この時、一般的のステージがどのように設計されるかを世代ごとにグラフで見てみましょう。
割合を見やすくするために横並びで表示した後、個別のグラフを大きなサイズで表示します。
若い世代ほど引退後の割合が大きく増え、労働の割合が大きく減っていることがわかります。これは、寿命が伸びているため労働期間に対して相対的に変化があらわれています。
このように、若い世代は43年間の労働期間で、給与収入0の35年を支える準備をしないといけません。
これはいかに荒唐無稽な話であるかは誰にでも直感的にわかると思います
従来の公的制度当てにならない問題
暗い話が続きますが、見逃せないポイントがあります。それは、従来の引退後資金の拠り所となる2本柱が崩壊に向かっていることです。
それぞれでかなり大きなテーマなので詳細は省きますがご参考として。
縮小、遅延される年金
ご存知の通り超少子高齢化社会では年金制度は最早先細りの一方通行です。
今すでに「70歳から受給すると何十%お得!」みたいな論法できています。今後はさらに遅延させ、受給額も少なくなっていくでしょう。
年金は長生きに対する保険なので、寿命が延びたらその分は自分でなんとかしろってことなんでしょうね。まぁわかります。
無くなっていく企業年金と退職金
企業が拠出する年金がありますが、これは制度自体が無くなっていく可能性が最も高く、支給額が減る可能性が2番目に高いです。
人材の流動化と、企業の拠出する体力が無くなっていくことが理由です。
つまり、今の2,30代はほぼ自力で35年分の資金を用意しないといけません!
本記事の内容は以下の書籍の内容の一部を参考にしています。絶対に人生の役に立つ本なのでご一読ください。紙版と電子版のご紹介です。 偉人たちの叡智の結晶がわずか2000円以下で手に入るなんていい時代になりましたね! 原書が結構しっかりした本になっているので、気軽に読みたい人は漫画版もおすすめです。 漫画版でざっくりと内容を掴むだけでも有用ですし、ざっくり掴んだ後に原書を読むのも理解度を高めるのでおすすめです。
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実際の資金計算
うーーん。35年もどうやったら支えられるんだろう。。。。
貯金じゃ絶対に無理だろうね。まだ暗い話は続くよ。
もうお腹いっぱいだよ〜
実際に計算をしていきましょう。
引退後、年300万円必要でそれが35年続きますから、そこに向けて必要な額は1億5百万円です。ここで前提を思い出しましょう。
- 老後の資金生活資金:引退前年の50%(64歳で年収600万円なら300万円)
- 投資利率の年平均:3%
- 現役時代の年収増加ペース:年4%
- 引退したい年齢:65歳
- 各世代の寿命:2,30代=100年、40代~60代=85年、60代=80年
ポイントは既に投資をしている点じゃないでしょうか。
目標金額がわかったので、シミュレーションしてみましょう。1億5百万円を45年で貯めるには、年3%の場合毎月いくら貯金すればいいか。です。
年間110万円を投資に回せっていうことなんだ。きっと多くの人には不可能な数字だね。
年収600万円のとき手取りが大体470万円と言われているから、手取りの23.4%を投資に回せってことだね!
このように到底不可能な金額であることがわかりました。
最も重要なポイントは、9万円という投資額は生涯変わらないのに、若いうちは年収が3~400万円ということでしょう。
つまり、貯蓄率が50%を超えてしまいます。
これは到底不可能な数字です。17万円の手取りから9万円を貯蓄したら、家賃で終わりじゃないでしょうか。
現実的対策案
先のシミュレーションでは絶望的な結果を確認できました。
しかし安心してください。不確実ではありますが単純な解決策があります。投資のリターンを上げることです。
先ほど3%だった利率。これを5%にしたらどうなるでしょうか。
お。一気に現実的な線が見えてきました!
おー!じゃあリターンを7%にすれば3万円を切るぞ!!
確かにそうなんだけどちょっと待って。これ以上の利率を出そうとするとリスクを取りすぎて危険なんだ。
S&P500の30年間の平均リターンは10%だから、到底無理筋とも言い難いところではあるけど、老後資金という失敗できない資金で、高いリターンを前提とした準備は危険だ。
それに、高い利率を出そうとすると仮想通貨のような超高リスク資産を保有する割合が増えてしまうんだ。
仮想通貨の割合が増えるとダメなの?たくさんお金増えそうだけど。
もちろんそこは個人の自由。ただ、仮想通貨に長期投資するのは個別株に投資するのと同じでリスクヘッジが効かないんだ。
個別株もその会社が倒産したらゴミになるでしょ?それと同じで投資した仮想通貨に何かがあったら終わりなんだ。
こう考えた時に、これだけ不安定な仮想通貨に長期で大金を突っ込んで大丈夫?という話なんだ。
あーそうか。投資信託なら何百社も入ってるから比較的安心なんだ。
また、リターンの高い投資信託はそれだけリスクも大きいから素人が簡単に手を出さない方がいいんだ。
しっかり勉強してからがいいよ。例えばブル3倍とかベア2倍とか、投資信託でもレバレッジを効かせたものもあるけど、これらは長期投資には向かないんだ。これは別のタイミングで話すよ。
5%のリターンで毎月の貯金額は3万円を切りました。これであれば現実的なラインに乗ってきたと言えそうです。
でもできれば、もう少し減ってくれれば家計が楽になるし安心して生活ができそうです。しかし、これ以上のリターンを前提とするのは危険ということがわかりました。
ではどうするか?
この計算の前提にある穴を突きましょう。
投資は引退後も増える資産
ここまでの話は全て、引退した時点で1億5百万円を準備するための話でした。
しかし冷静に考えれば、引退してからも35年間あるのだから、引退時点で全額を持っている必要はありません。
投資のいいところは貯金と違って置いておいても資産が増えるということです。徐々に取り崩しながらの生活を前提とすれば、投資の収入と取り崩しを合わせてもっと低い準備金額で1億5百万円を達成できます。
これを考えると、老後は資産の安全性をとって年平均3%という低めのリターンを設定したとした場合、
では9千万円を準備するにはいくらの積み立てが必要でしょうか?
こちらをみてください。資産の取り崩しシミュレーションです。3%のリターンの時、65歳時点でいくら持っていればいいのかを調べます。
7500万円を持っていれば、年360万円取り崩して行ったとしてもリターンと合わせて98歳まで資産が持ちます。
では、7500万円を用意するには毎月どれくらい入れればいいのでしょうか。
ということで、毎月3.7万円まで減りました。
このくらいであれば何とか頑張れそうだね。
こう考えると積み立てNISAっていうのは上限額的にみても説得力のある金額設定なんだね。
おー。じゃあ今すぐに積み立てNISAを始めればいいんだ!
そうだね。いかに早く始めるかが重要になるんだ。
このシミュレーションは45年の投資を前提としているから、すでに多くのチャンスを失っていることになるからね。
ただ、貯金はもっと多くないといけない
この話は家族が増えたとか、学費とかの話が入っていませんから、それらは別途用意しないといけませんからご注意ください。
長すぎる人生を楽しむためにも、今日から行動を始めましょう!
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