投資

米国FOMCによりテーパリングの開始決定。S&P500の今後は?

前回のFOMCによって、アメリカでは異次元の緩和政策を徐々に終了することが決定しました。

来年以降の株式相場は混乱が必須です。

とはいえ、混乱するのは個人投資家を中心とした買う側の問題であることが多く、テーパリンング開始は裏を返せば「官製相場から業績相場へのシフト」に他なりません。

この記事では積み立て投資家を対象に、テーパリンングとS&P500の今後、このような見通しの中でどのように振る舞えばいいかを解説します。

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テーパリングとは

私もそうだったのですが、投資を開始して日が浅いと、比例して知識も浅いことが多いです。(またはYoutubeとかを見まくっていて、上部の知識だけは豊富な頭でっかち)

そんな状態でテーパリングという単語をきくと、大抵の場合は以下の理解をするとお思います。

「テーパリングを開始すると景気後退局面に入って株価が下がるわけだから、今買うと高値掴みになってしまうので、買うのを控えた方がいい。なんかよくわからないけど株価が下がるんだ!」

これは以下の理由により間違っています。

  • テーパリング開始は経済の先行きに自信を持っている証。
  • 積み立て投資家はタイミング売買を絶対にしてはいけない。継続が重要。

テーパリング開始=景気後退ではない

そもそもテーパリングとはどのような局面で成されるものなのかをしっかり確認することで、役割と今後の見通しを予想することができます。

テーパリングとは、緩和政策の段階的縮小です。

緩和政策とは、何パターンかありますが、経済が低迷しそうな局面において中央銀行から大量の現金を市場に投入することを意味します。
実際にコロナ禍以降、アメリカの中央銀行に相当するFRBは異次元の金融緩和として米国債を800億ドル、住宅ローン担保証券を400億ドル。合計1200億ドルを【毎月】購入して国内に資金をばらまいてきました。

つまり、何もしなかったら深刻な不況に陥ってしまうため、不況を回避するために行うのが金融緩和政策です。

では反転して、この金融緩和政策を終わらせるというのはどのような状況でしょうか。

それは、「FRBからは支援を行わなくてもアメリカは自立して経済を回せる」という見通しがついた時です。

これを裏付けるかの如く、FOMCのメンバーは

  • テーパリングの実施には失業率の安定的な低下が必要
  • インフレ率(=購買力)とのバランスを見る必要がある

という発言をしており、自国内の経済的な自立を重視していることがわかります。

テーパリングは自立経済への移り変わりの証拠

ということで、今回のFOMCにより失業率の改善とインフレの加速が確認できたため、今後はFRBの支援なしでも経済は伸びていくという判断をしたということになります。

しかし、急に巨額の緩和政策を打ち切ると市場に大きな混乱が起こることが懸念されます。

そこで実施されるのがテーパリングです。

テーパリングとは、

自立した経済活動の目処が立ったので緩和政策を終了するよ!でもいきなり0にすると市場が混乱するから、段階的に金融緩和政策を縮小するよ。

というものに他なりません。

今後のアメリカは業績相場になる

つまり、今までの巨額の緩和政策を当てにした株高局面から、各企業の競争と淘汰による市場原理による株価に移行するということです。

この株価による相場を業績相場と表現しましょう。

業績相場においては企業の力が試されることになります。
また、一時的な加速装置である緩和政策由来の資金の流入が減っていきます。

この局面においてまず発生するのは、株価低下ではなく株価上昇の停止です。
今まではFRBが巨額の購入をしていたため右肩上がり続きだった相場は一旦終わると考えた方が良いでしょう。
しかしそれは、極端な下げを意味するものではありません。(もちろん下がるには下がるんですが、それは業績相場への移行期間の調整と言えそうです)

そして、上昇停止に失望すると売りが増えて下落するというサイクルに入るかも知れない。ということです。

とはいえ、GAFAMを中心にまだまだ圧倒的な力のある米国は業績相場に移行しようとも中期的には世界を牽引する役割を担っていくことは確実でしょう。

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積み立て投資家はどうするべきか

簡単です。積み立て続けることです。

これ以外いうことはありません。コロナ禍当初、各投資信託は50%近い大暴落をしました。
しかし私は、敗者のゲームの記述に則って買い控えるどころかむしろ大きく買い増しました。

それによって、現在では90%近い意味不明なリターンを得ることができています。
こんな局面はおそらく今後数十年は来ないでしょう。

名著:敗者のゲームによると、株式市場に如何に長期間滞在するか(資金を置き続けるか)が資産形成最大のポイントであると書いています。
30年間に数日だけある上昇相場に乗れるかどうかで、リターンが30%以上変わることもあるようです。

インデックス投資の重要性と考え方を完全に理解できるので、ぜひ一読ください。

※とはいえ、暴落=即買い増しというほど単純ではないので注意が必要。

なお、株式の購入にあたりいくつかの証券口座を使い分けて投資をしています。今後、それらのメリデメ含めた紹介を行いたいと思います。


このような局面において、積み立て投資家の取るべき行動は愚直に定期積み立てを続けること一択です。

しかし、やはり上げ下げは気になるもの。S&P500の今後について幾つかの予想が出ていたので紹介して終わりにします。

S&P500の今後は?

ブルームバーグからの抜粋です。

マイケル・ウィルソン氏らモルガン・スタンレーのストラテジストは13日、S&P500種株価指数が2022年末までに約6.6%低下して4400になるとの予想に自信を深めているとコメントした。ブルームバーグが追跡するウォール街の予想の中で最も悲観的な部類だが、弱気相場入りにはほど遠い。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-12-13/R41V41DWRGG701

ゴールドマンのストラテジストらは「ペースは鈍化」しても株価上昇が来年も続くとの見通しをあらためて示した上で、小幅な下落は想定できるとした。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-12-13/R41V41DWRGG701

「現水準は弱気相場が差し迫っていることを示唆しないものの、調整のリスクは高く、成長または金利を巡る失望に対する脆弱(ぜいじゃく)性が高まっていることを意味する」とリポートで分析した。現水準は向こう12カ月で1桁台前半のリターンと最大で5-10%の下落が示唆されるという。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-12-13/R41V41DWRGG701

どのアナリストも、下げは小幅であるが高い確率でくるだろうという表現をしています。

概ね5-10%の下落は覚悟しておいた方がいいでしょう。

下がる株を買いたくない人の投資先は?

基本的にはS&P500を買い増しておけば数十年単位では安泰だとは思うのですが、短期的が嫌なんだ!と言う人は、エネルギー株に投資してみてはいかがでしょうか?

コロナ後の景気拡大局面ではリバウンド消費も含めて圧倒的なエネルギー需要が見込まれます。
現代で言えば、まだまだ石油系が強いでしょう。

投資信託にせよ個別投資にせよ、エネルギー株が短中期的には上がりやすいと考えています。
以下のものはどれもSBI証券で購入することができます。

バンガード・エナジー・ETF (VDE)

エクソンモービルやシェブロンを中心にアメリカのエネルギー市場に幅広く投資できます。
これで事足り流と思います。

エクソンモービル(Exxon Mobil Corp.)

個別株派ならVDEの筆頭であるエクソンモービルがおすすめです。

シェブロン(Chevron Corp.)

個別株派なら同様にシェブロンも良いと思います。

当たり前ですが、投資はどこまでいっても自己責任と自己判断です。
色々な情報を多面的に仕入れて分析して、各自で判断しましょう!


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