投資

仮想通貨崩壊-1日で数十億分の1の価値になったIRONとTITANについて

どうも、社畜です。
今回は1日で価格(価値)が12億分の1程度まで下がってしまい、実質無価値となったIRONについてざっくりと説明します。

一体何が起こったのか

TITANが一夜にして大暴落しました

TITANという仮想通貨(トークン)がたった一夜にして、6月16日の64ドル付近から6月17日の0ドル付近まで急激に下落しました。

そして、下落の原因自体は6/18日時点では「不明」となっており、発行元が調査を行うとのことです。
下図がそのチャートです。

こんなチャートは見たことがありません。NEMの騒動の時ですらもう少し価値は残っていましたね・・・

TITANに引っ張られてIRONがダウンしました

そもそもTITANとは、IRONというトークンの価値を補うための補助的なトークンでした。

IRONの仕組みは面白くて、法定通貨であるドルに対して1IRON=1ドルを保証するためという設計になっています。
そしてIRONが保証する1ドルの通貨のうち75%がUSD Coinという「一ドルが保証されたコイン」で、残りの25%がTITANにより保証されています。
つまり、1IRONは2つのコインによって価値が保証されています。これらの仕組みをDefi(分散型金融)というそうです。

IRON自体を持っていると、25%を構成するTITANをさらにもらえる設計になっていたらしく、年利としては脅威の4500%を記録していたようです。

今回の問題はIRONを保証する機構のうち、25%を握るTITANの価値が0になったわけですから、USD CoinとTITANを合わせて1ドルを保証するという設計が崩壊したことになります。
現時点ではIRONは0.75ドルなので、きっちりUSD Coin分が残っている状況ですね。

iron-chart

その仕組みは以下のようなものでした、

  • 1IRONを購入すると、自動でUSD CoinとTITANを買ったことになります。
  • 1IRONを持っていると、TITANが利息としてどんどん貰えます。
  • 1IRONが買われるたびにTITANが一緒に買われていくので、自然とTITANの価格が上昇していきます。
    (ただし、1IRON内の割合は変わらない。)
  • この流れでTITANが売れていくと、TITAN自体の価値が上がり、TITANを直接買う人も増えてさらにTITANの価値が上がります。
  • TITAN自体は特に何かに使えるわけではないようです。

つまり、TITANはとんでもない量が発行されてIRON保持者に支払われていますから、圧倒的な供給過多に陥るタイミングが出てきます。
それは買う人が増えなくなったタイミングです(=利確の為に売ろうともう人が増えた段階)。

IRON保持者にタダでTITANが配られるわけですから、初期からの保持者はあるタイミングで必ず利確を考えます。
利確を考えないのは、TITANを高値で直接買ったりした人たちです。
このギャップを抑えきれなくなった時、供給過多に陥って急激な価値崩壊を起こしたと推察できます。

儲かったのはどんな人たち?

この騒動の中で、儲かった可能性があるのは初期からIRONを買った人たちではないでしょうか。

彼らはIRONに含まれるTITANを利息としてかなりの量もらっていました。ということは彼らは価値が0になるまでの間に売り抜けた人たちは間違いなく利益を出しています。
IRON自体は75%の下落にとどまっていますから、IRONを持っていた人たちは25%の損失に過ぎません。

タダで配られたものを最大64ドルで売れたわけですから、かなりの利益を得たのではないでしょうか。
また、このチキンレースに参加していた人たちは、これがいつか終わることをわかっていたようです。

他人のツイートなので転載はできないのですが、ある日本人トレーダーは本件で90万ドルほど儲けたようです。
しかも、「天井で売れなかった自分は未熟」というようなことを言っていますから、IRONとTITANの騒動はババ抜きであったことを最初から理解していた様子。

損したのはどんな人たち?

明らかに、TITANを直接買いに行った人たちです。

彼らはIRONに付随するTITANの価値上昇につられて後から購入しています。そして多くのTITAN購入者はTITANの仕組みなどを理解せずに「上がっているアルトコインがある」という程度の理解度で購入していたようです。
彼らは今回の暴落でかなりの損をしたのではないでしょうか。
60ドル付近で買っていたものが18時間で0ドルになっていますから。

この辺は、「周りを見てカモが分からなければ、あなたがカモだ」というところでしょうか。

このことを教訓に

今回のことは以下のような教訓として覚えておくと良いかもしれません。

  • 仕組みがわからないものにお金を入れない方がいい
  • 仮想通貨は詐欺まがいのものも多いので、信頼性のある通過を投資対象とする(それらでさえ、ある日無価値になる可能性がある)
  • 仮想通貨投資はポートフォリオの5%以下にする。(そうすれば、仮想通貨が0になっても全体に与える影響は5%に過ぎません)

ここ数年は投資ブームも相まって多くの新人投資家が生まれています。
新人投資家はタダのカモです。
ネットの情報で「上がっている」と見た時にはすでに購入するには遅すぎるくらいです。

伝統的な投資をベースに、趣味の範囲で仮想通貨に投資するのが良いと思います。

-投資
-